スーザン・ボイルとキム拓

 キム拓の英語を批判するといふより単純にスーザン・ボイルが客商売に慣れてゐなかったからと思ふ。百戦錬磨のステージ・スターならインタビューアの言葉が分からなくとも、取り敢へず「Thank you!」と切り返し、間を持たせて話題を続けるものだ。紅白のあの場では通訳も日本人だったわけで、ノンネーティブの英語を別々に聞くと、結構混乱する。例へば、中国人の英語など、中国人Aの英語のリズムに合はせて聞き取りしてゐるときに、別の中国人Bが割り込んできたら、英語のリズムが違ふので、中国人B英語に慣れるのに暫く時間が掛かる。そして、中国人B英語に慣れると今度は中国人A英語が分からなくなったりする。キム拓の英語は、男性の棒読み英語としてはごく標準的なものだったと思ふ(駐在員でもあのレベルはゐるし、あのレベルでもビジネスにはなる)。ちなみにスコットランド英語も訛りが強い(実際に聞いたことはないけどさういふ話は聞く)。だから、日本語で言へば、青森訛りと鹿児島訛りが慣れない標準語で会話するやうなもので、事前に両者で会話して慣れてゐないと即興では通じない。ビジネスでも良くあることで、キム拓もスーザン・ボイルも特に問題があったわけではない。