「高藤」さんの読み方

 やはり外務省も長音を全く理解してゐないやうです。

末尾が「オオ」音で、ヨミカタが「オ」の場合(「OO」と表記します。)
例:妹尾(セノオ)SENOO、高藤(タカトオ)TAKATOO、横尾(ヨコオ)YOKOO
末尾が「オウ」音で、ヨミカタが「ウ」の場合(「OU」とは表記しません。)
例:伊藤(イトウ)ITO、高藤(タカトウ)TAKATO、御園生(ミソノウ)MISONO

 高藤(タカトオ)、高藤(タカトウ)ってありますが、前者は高遠(タカトオ)の誤植では?たとへ、誤植を直したとしても、両者は同じ「タカトー」なので、パスポートでは「TAKATO」になるのでは?「遠」が末尾に来たときだけ「トー」から「ト・オ」に変はるなんて学説を聞いたことはありません。結局、ローマ字を複雑にしてゐるのは、誰にも定義できない長音を、あたかも共通認識のやうに定義してゐるからでは?
 「純一」を「JUNICHI」とするのはまだ許せるわけですよ。日本語として、「N'I」と「NI」の違ひは文脈で判断できます。ところが、「オーノ」と「オノ」の人名なんて、同じ文脈で出てくるわけで、これを区別する方法がなければ、欠陥文字なわけです。
 訓令式ヘボン式の違ひなんて枝葉末節で、ローマ字問題の本質は、長音を英字26文字の範囲内で扱ふ共通規則を誰も作らうとしないことなんです。ISO 3602*1 で、長音の定義を厳密に決めたといってゐますが、そもそも、その長音の共通認識が、ローマ字以前に仮名文字にもないわけですよ。厳密にいふと正仮名遣ひを整理して、現代仮名遣ひを決めた時点では、共通認識が多少持てたのですが、現代仮名遣ひが定着してしまふと、「王」を「オー」と読まうが「オ・ウ」と読まうが通じてしまふので、「オウ」が長音である認識が薄れてゐるわけです。正仮名遣ひだと「ワウ」なので、「ワ・ウ」ぢゃ通じないから、長音「オー」といふ共通認識ができたわけです。
 そこまで教育して、しかも「Ô」がパソコンで簡単に入力できて初めて ISO 3602 が使へるわけです。一般人が簡単に運用できない規格を作ってゐながら、一般人が間違った使ひ方をすると、あなたのローマ字は間違ってゐますでは、誰も使ひたくなくなります。
 そもそも仮名文字を一文字づつ翻字すれば解決した問題*2なのに、なぜ、ローマ字に長音の概念を持ち込んだでせうね。