近未来入門!

移転しました。

 小説家と科学者との対談による近未来想定問答、5章構成になってゐる。3章が生物学的想定問答になってゐるのに対して、他の章は地学的な想定問答だ。

  • 第1章 地球はどうなってしまうのか?

 超温暖化、超寒冷化、小惑星衝突、いづれも自然の摂理であり、本当に起きてしまったら人間の小細工ではどうしやうもない。といふことで、私自身は、不安定な地球の環境にしがみつくよりも、とっととスペース・コロニーに移住しませうといふ主義である。この本で紹介されてゐた「ひょっこりひょうたん島」は暫定的な解決策かも知れない。

  • 第2章 人間が宇宙で暮らすとしたら?

 詳細は、王者木星 - ziomの日記を参照。私がこの記事を書いたときはこの著書を読んでゐなかったが、少しでも宇宙の知識があれば、皆、同じ結論に達する。ガンダムの世界を想像すると分かりやすい。ただ、モビルスーツはあるとは思へないが、仮にあるとしても戦闘用ではなく工作用だ。ファースト・ガンダムではスペース・コロニーは地球と月のラグランジュ点に限定されたが、それだけでは直ぐに設置場所がなくなるので、地球の公転軌道上に並べることになる。将来的には、小惑星帯や外惑星へのアクセスの利便性、太陽光の増大に伴ひ、火星の公転軌道に並べることが主流になるだらう。宇宙空間は広いと言っても、スペース・コロニーを好き勝手に設置したら、衝突回避の軌道修正で不要なエネルギーを浪費するし、軌道修正に失敗して衝突したり、外惑星に飛ばされてエネルギー不足で放棄されるスペース・コロニーも出てくるだらう。さう考へると、スペース・コロニーは惑星の公転軌道に並べるのが一番安定する。
 また、スペース・コロニーの長所は重力井戸の影響がないことだ、スペース・コロニーの内壁は居住性も考へて、遠心力で擬似重力を生み出すが、回転中心部は無重力状態なので、そこから発着する輸送機は、近隣のスペース・コロニーに移動するのに大きな推進力は要らない。物流も低費用で盛んになる。

  • 第3章 ドラキュラと恋に落ちる日

 これは遺伝子操作をした生き物と食物連鎖の話をドラキュラを使って暗に説明した章だ(別の解釈をする読者もゐるだらうが、私はさう解釈した)。もしドラキュラが持続可能な生命として存在するのなら、人の生き血を吸って殺してしまふよりも、人を生かしたまま少量の献血をしてもらった方が特だといふことだ。しかも健康で栄養価の高い血を得るためには、奴隷のやうな状態でなく、肉体的にも精神的にも充実した環境に置いておく必要がある。それもドラキュラ1人に対して人間は91人必要だといふことだ。結局、無用な殺し合ひよりも、共存共栄が生態系の理想の姿といふことになる。

  • 第4章 宇宙人はきっといる!

 宇宙人はゐるだらう。ただ、1光年を超える距離を有機生命体が生身の体で交流することは有りさうもないので、知的問答と科学的好奇心はあるもののそれ以上の干渉はないだらう。ビッグバン以来これだけ悠久の時を過ごしながら、宇宙人が来訪してゐないといふことは、物理的に相互の行き来がないことの証明にもなる。
 ただ、「地球人は、地球といふ宇宙の孤星に漂着した宇宙人の末裔だ」といふ説(本書とは無関係)があれば、将来、地球人が、片道切符で他の恒星系に漂着して過去の記憶を忘れて繁栄する可能性は皆無とは言へないので、知的問答として検討してもいいテーマだらう。ところで、アーリア人は、インド以外の学説ではインド外来民族なのだが、インドの学説ではインド土着民族になる。当事者は、外来民族であることを(政治的に)忘却(したふりを)してゐる。実は、天皇家もさうだったりして・・・。

  • 第5章 タイムトリップはできるか?

 量子力学の世界では、SFに出てくる小技があるのだが、人間並の質量をもった物体には縁のない世界だ。これも、未来人が現代に来てゐないことを考へれば、タイムトリップも有りさうもない。
 ところで、時間旅行で有名な「親殺しの逆説」だが、事象の相対性を考へれば、「子供が過去の親に遭遇する」といふ事象は「親が未来の子供に遭遇する」といふ事象と同一である。もちろん、未来の子供はゴルゴ13並に、親に気付かれず500メートル先にビルの屋上から暗殺するのかもしれない。透明マントなら時間旅行よりも実現可能性がありさうなので、これを使ふ手もある。どんな方法を使はうが結果的に以下の可能性が考へられる。

  • 暗殺は失敗する。
  • 暗殺が成功した場合
    • 親子に血縁関係がなかった。
    • 親の死後、保存されてゐた精子卵子を使って人工授精で生まれた。

といふことで「過去の親殺しに成功したら、その瞬間に未来の子供が消滅する」なんてことはないと思ふ。少なくとも子供が存在するといふことは、DNAの相続を受けるまでは、親が生存してゐなければならない。反論としてパラレル・ワールドの存在があるかもしれないが、タイムトリップ以上にムーになってしまふ。